平穏で楽しい日々だったが、
3月の発情シーズン、ちびにも他所から流れてきた1匹のオスが近付いて来た。
ちびもまた満更ではなかった。
気の弱いぶちは、これを見て見ぬ振りをしたり、緊張で固まってしまったりと、まともに対処できなかった。。
そんな何処ぞの誰ともわからない者にちびを渡すなど、
”兄が許してもこの俺が許さん!”とばかり、
私はよくそのオスを追い立て回していたが、結局2匹は、一時的にペアになって、数日間雲隠れしてしまった。
駐車場に行くと、手ぐすね引いて待ってたように、独りで現れるぶちは、
強烈に、孤独あるいは自己嫌悪を訴えてきた。
私はよく「おまえは世界で一番可愛い猫だよ」と、声をかけて慰めたのだが(実際にそう思っていたけど)、
そういうときは、触られるのが嫌いなぶちも、大人しく撫でさせて、頭を擦り付けてきた。
言葉とは違う、何かが、人と猫の間でも通じると思った。
私はたぶんこの時、完全に猫にハマった。